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科学的に否定された「間違った勉強法」が広まっている

投稿日:2018.12.13.

勉強法に対する思い込み

世の中には様々な勉強法が出回っています。そのなかには、既に科学で否定されている勉強法も沢山あります。例えば、再読は非効率な勉強法だと科学で結論づけられているにもかかわらず、未だに再読をすすめる書籍が出版されていたり、有名な予備校講師が再読を進めていたりと、とても残念に思います。

このような「間違った勉強法をどれだけ信じているか?[1]」という問題に対してCenter for American Progressが約3,000人を対象にアンケート調査しています。これによると、多くの人は間違った勉強法を支持、または正しい勉強法を不支持してしまっているんですね。

  1. 自分に適した学習スタイルを探すべきだ
  2. テキストを再読する学習は効率的だ
  3. ハイライトを引いて勉強するべきだ
  4. 教師は学生を褒めるべきだ
  5. クイズは非効率な勉強法だ

それでは順番に見ていきましょう。

1.「自分に適した学習スタイルを探すべきだ」は間違い

約90%の人が「自分に適した学習スタイルを探すことは効果的である」と主張したそうです。しかしながら、適した学習スタイルを探すことを支持している研究はなく、研究者も「事実上の証拠は見つからない」と述べております。すなわち「自分の学習スタイルを探すべき」という主張は全く根拠のない主張ということなんですね。

2.「テキストを再読する学習は効率的だ」は間違い

再読に関しても約90%の人が支持している勉強法だそうです。しかしながら、再読は一時的な学習効果しか見込めず非効率であるということが分かっています。未だに人気のある勉強法ですが、記憶の定着を目的とするならば非効率的な勉強法といえます。

3.「ハイライトを引いて勉強するべきだ」は間違い

再読と同様に、多くの人はハイライトを引いて勉強することも効果的だと信じているようです。しかし、ハイライトの学習効果は再読と同程度に低いことが分かっています。確かにマーカーで線を引くと、勉強したという達成感はあるかもしれませんが、実際には非効率的な勉強法といえます。

4.「教師は学生を褒めるべきだ」は褒め方次第

「教師は学生を褒めて伸ばすべきだ」という主張は約71%の人が支持しています。確かに、科学でも「子どもは褒めて伸ばすべきだ」という結論に至っています。ただし、これは褒め方次第です。というのも褒め方次第で子どもの学習意欲が増えも減りもするからなんですね。褒めるときは知能ではなく努力を褒め、学習意欲を伸ばすようにしましょう。

5.「クイズは非効率的な勉強法だ」は間違い

今まで見てきたように間違った勉強法は支持される一方で、効率的な勉強法は支持されていませんでした。クイズなどの検索練習は効果的な勉強法ということが科学的に実証されているにもかかわらず、約60%の人は非効率的な勉強法であると思い込んでいました。

効果のある勉強法を取り入れよう

このエントリでは勉強法に関する以下の思い込みを確認しました。

  1. 自分に適した学習スタイルを探すべきだ
  2. テキストを再読する学習は効率的だ
  3. ハイライトを引いて勉強するべきだ
  4. 教師は学生を褒めるべきだ
  5. クイズは非効率な勉強法だ

では、学習効果の高い勉強法はどういったものなのでしょうか? この疑問には既に結論が出ていて、科学的根拠に基づいた勉強法のうち一番効果的な勉強法は検索練習であることが分かっています。勉強法に関する思い込みや嘘に騙されず、効果的な勉強法を使うようにしましょう。



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About
植木都顕
(Ueki, Kunitaka)

システム開発会社(株)ロワのアトリエ代表取締役
早稲田卒(副総代)。稲門会副会長、研究会副幹事長
1.技術屋。知性構造に興味を持ち人工知能を研究
2.読書家。書籍・論文あわせて年間3,000冊以上
3.効率主義。論文抽出に独自ツールの使用など
最近の目標は海外の大学院で勉強すること
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