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オリゴフルクトース強化イヌリンで食欲が最適化されるかも?

投稿日:2018.12.10.

プレバイオティクスで食欲が減る?

プレバイオティクスの健康上のメリットのほとんどは、腸内の良い細菌が増えることによって食欲が最適化されたり、食後の血糖値を調整するホルモン(インスリン)が改善されるからだとされています。

今回の研究は「プレバイオティクスで肥満児の食欲が激減した[1]」というランダム化比較試験なのですが、オリゴフルクトース強化イヌリンという食物繊維が用いられております。

「オリゴフルクトース強化イヌリン」の効果

実験では7~12歳の参加者42人を以下の2グループに分けております。

  • 1日8gのオリゴフルクトース強化イヌリンを飲む
  • 1日8gの糖質(マルチデキストリン)を飲む

これを16週間継続して貰った結果、オリゴフルクトース強化イヌリンを飲んだグループに以下のような変化が表れました。

  • カロリー摂取量が平均113kcal減った
  • 空腹時にグレリン(食欲を増進させるホルモン)が28%増えた
  • アディポネクチン(老化を遅らせる善玉ホルモン)が増えた
  • 食前に「食べられると思う量」を減らし、食後の満腹感を増やした
  • BMIが3.4%減った

アディポネクチンは脂肪細胞から放出されるホルモンなのですが、脂肪を燃やしたりインスリン抵抗性を改善する働きがあって、老化を遅らせるホルモンとも言われています。これが増えているというのは素晴らしいことですね。

また、食欲を増進させるホルモンが増えたにもかかわらず満腹感が増えたというのは面白い結果ですが、この件について研究者は「食欲のコントロールが正常化されたのではないか」と推測しています。

実験で使われているものはどれ?

この実験のなかで使われているオリゴフルクトース強化イヌリンというのは、名前通りフラクトオリゴ糖イヌリンを混ぜて作られたものになります。なお、実験で使われている製品はJarrow Formulas社の「Orafti Synergy1」で、これを採用している商品にはinulin FOSなどがあります。

ざっくりと今回の結果をまとめますとオリゴフルクトース強化イヌリンは、

  • 自然とカロリー摂取量が減り、BMIも減らす
  • 食欲を最適化する
  • アディポネクチン(老化を遅らせる善玉ホルモン)を増やす

といことでした。また、フルクタン(フラクトオリゴ糖イヌリンなど)とガラクトオリゴ糖は他の食物繊維と比べて腸内でビフィズス菌と乳酸菌を増やしやすいといわれており、合わせて取れば最強かもしれません。



こちらの記事も参考にしてみてください。

About
植木都顕
(Ueki, Kunitaka)

システム開発会社(株)ロワのアトリエ代表取締役
早稲田卒(副総代)。稲門会副会長、研究会副幹事長
1.技術屋。知性構造に興味を持ち人工知能を研究
2.読書家。書籍・論文あわせて年間3,000冊以上
3.効率主義。論文抽出に独自ツールの使用など
最近の目標は海外の大学院で勉強すること
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